談合ウォッチャー

入札談合や官製談合事件をまとめたいブログ

施工管理技士の不正取得

最近?以前から?

施工管理技士の不正取得で処分のニュースがしばしば見られますね。

 

xtech.nikkei.com

xtech.nikkei.com

www.nikkei.com

もっぱら大手ゼネコンが標的になっていますが、

これがもちろん大手だけの問題ではないのは、業界にいる人間なら常識のようなことですね。

 

不正の内容は、ほとんどが「無い実務経験をあったことにする」ものかと思います。

実務経験の証明は、会社の社長などがハンコを押すだけで、特に証明用の書類とかも無いので嘘つき放題ですね。

実際に管理業務を行っている管理担当が、他の施工管理技士も取れと言われたり、

入社1年目に取らされていることもありますが、それはまだかわいいもので、

現場に来ない経理や営業担当、しまいには会社に関わっていない社長/従業員の奥様が取ってしまう場合もあります。

それがしかも、何かの工事の主任/監理技術者になってしまっていたり、

時には自治体から表彰をもらってしまっているケースもありますね。

岩手県一関市 収賄&談合事件

news.goo.ne.jp

 

 news.yahoo.co.jp

(最初は加重収賄の容疑で逮捕され、その後官製談合防止法違反で再逮捕されているのだと思う。)

 

どういう事件?

岩手県一関市の上下水道部の元次長が、業者に入札情報を漏洩し、見返りで飲食や宿泊接待を受けた。

その後業者3人が逮捕され、先の職員と合わせて4人が起訴される。

 

工事について

今回逮捕された業者は、フジテック岩手と永沢水道工業の2社。

こちらのニュースによると、フジテック岩手の落札率は過去5年平均で94.57%。

永沢水道工業は過去5年の落札14件のうち5件が落札率99%以上とのこと。

ちなみに一関市の平均落札率は97.4%。公契連モデルを採用しているので、入札が最低制限価格近辺に集中していれば90%前後になるはず。はっきり言って高い。

www.fnn.j

ただ積算について、発注資料はパスワードがかかっているので見ることはできないが、見積もり単価は不明になっているようだ。

予定価格を上回る入札も多いので、予定価格も最低制限価格も非公表で発注されるタイプの自治体だと思われる。

こうなると積算難度はかなり高くなるので、失格を恐れる業者が入札を高めにするというのはあるのかもしれないが、

 

それにしてもこういう、予定価格近辺に入札者がずらっと並ぶ入札が多すぎる。

 



 

こういう入札が連発する場合、考えられることは役所の積算が間違えているか、

これらの業者全員で談合組合を結成しているかぐらい。

一関市は職員にアンケートを行って、”「今回の事案を事前に知っていたか」という問いには全員が「知らなかった」と関係を否定”と言っているが、

www.fnn.jp

今回の事案を知らなくても、少なくとも現状の入札制度に問題があることは、多くの職員が認識していたのではないでしょうか?

 

 

宮城県石巻市 官製談合 2024年4月

www.khb-tv.co.jp

どういう事件か

宮城県石巻市で、市職員が下水道工事の金入り設計書を業者に漏洩した。

 

入札について

石巻市は過去の入札結果をなんと平成17年までさかのぼれる上に、入札者の入札金額まで閲覧できる。ほかの自治体も見習ってほしい。

www.city.ishinomaki.lg.jp

直近の令和5年度の、遠藤興業の落札した入札結果を見てみる。

令和5年度の落札は4件あり、うち2件は総合評価方式で遠藤興業の評価点は断トツトップである。

 

北北上運河右岸第1-4号幹線築造工事 総合評価

 

 

釜大街道線ほか1路線環境施設整備工事 一般競争

 

 

七窪蛇田線舗装工事 一般競争

 

 

東中瀬橋橋梁下部工新設(その2)工事 総合評価

この年だけ見ると、最低制限価格に近接してはいるがこれだけでは何とも言えないように思える。

遠藤興業の特徴はは落札件数が異様に多く、令和3年度から5年度まで順に一般競争入札だけで2本-5本-2本(同じ入札によく参加している石巻建設は0-2-0)

これだけでは同社の入札参加が多いからとか、規模が大きい会社のため積算精度が高いとか、そういう風にも見て取ることもできる。

 

しかし特筆すべきは、遠藤興業は入札に参加率が悪い割に落札件数が多い。

令和5年度の一般競争入札で土木Aは16件程度あるが、遠藤興業は落札した2件にしか参加していない。

土木Aを同年2件落札しているスリーテック(株)は5件、(株)ヤマゼン雁部組は14件参加している。

石巻市は令和5年度から手持ち工事の上限が5件までと定められたようなので、すべての入札に参加というわけにはいかないのかもしれないが、遠藤興業は参加したらほぼ必ず取っていく会社ということだ。他社にとっては脅威である。

なお今回立件されたのは下水道工事である。

広島県尾道市 入札情報漏洩 2024/5/15

news.yahoo.co.jp

どういう事件?

2023年5月下旬の入札で、入札前に市の土木課職員が業者に金入り設計書を渡した。

 

 

入札について

漏洩があったとされる工事

尾道市の平均落札率は91.4%とそれほど高くない。

最低制限価格は公契連モデルを採用しており、ランダム係数もおそらくない。

つまり、積算精度が高ければ落札できるようになっている。

 

他の令和5年度の入札結果を見ていると、最低制限価格と同額の落札はそこまで珍しくない。

多くの工事で、同額~+3000円での落札が多いように思う。

 

当該業者は同年8月にも最低制限価格と同額での落札がある。

最低制限価格と同額

 

入札金額のばらつきから素直に考えると、単価や歩掛が明示されていない箇所があり、積算難度が高いのかと思うが、

複数の入札で最低制限価格に近接した落札があることを踏まえると、指名業者間での調整が行われているようにも思える。

 

しかも、尾道市の入札結果全体を眺めていると、一般競争入札の割には参加業者数が少ない場合が多い。

参加資格を細かく区切っている場合には毎回似たような業者が指名されることになり、業者としては毎回同じ面子が指名されていると、受注調整(つまり談合)が行いやすくなる。

あくまで推測です。


---6/6 追記---

news.goo.ne.jp

高橋容疑者は去年、尾道市が発注した道路改良に関わる2つの工事について、土木会社の元社長、大崎一義 容疑者(58)に、最低制限価格を算定する基準となる金額などが記載された設計書を渡し大崎容疑者の会社に落札させ、その見返りに合わせて現金6万円を受け取った疑いがもたれています。

 

6万円の見返りの疑いがあったとのこと。

何かしらの形で、6万円の金の流れが残っていたのだろう。

2件の合計で6万円との報道なので、1件当たり3万円程度。

宮崎県串間市 官製談合

www.yomiuri.co.jp

どういう事件か?

設計業務の指名競争入札において、業者は副市長に対し指名業者案を作成させた。

副市長は業者の希望に便宜を図り、

副市長と業者4人が逮捕された。

逮捕業者の内訳は↓。このうちランドブレインの1人はすでに不起訴となっている。

xtech.nikkei.com

 

入札について

 

串間市は入札結果のwebでの公表も、電子入札も実施していないためこれ以上の情報は不明。
またニュースでは官製談合の経緯、見返りの有無、官製談合が露呈した理由など細かい経緯は明らかにされていない。
指名業者内での裏切り、もしくは市役所職員による証拠確保あったのかと思われる。
 

福島県石川町 官製談合 2024/4/30

www.minpo.jp

どういう事件か?

現職の町長から土木業者に対して、予定価格(最低制限価格のこと?)を漏洩した疑い

 

 

入札について

漏洩があったとされる工事は、

①令和4年度都4第3-4号 町道 116 号線 道路改良工事(9/26開札)

https://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/d3b98676b1469d91995d511611b29b66.pdf

 

 

当該業者はこの年度、ほかに3つ工事を落札している。

②令和4年度都 4 第 3-1 号 町道 220 号線 道路改良工事(7/28開札)

③令和4年度都 4 第 2-1 号稲荷橋橋梁修繕工事(10/31開札)

④令和 4 年度教 4 第 9 号石川町認定こども園用地造成工事(2/27開札)

https://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/defc75845aca34c0fe0bca05dc69ec4e.pdf

https://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/16101409e5bdc3de5aef2aeeb48caf3d.pdf

https://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/51d5bc6c48336a5027e2cc5e109f3883.pdf

 

 

最低制限価格は公契連モデルだと(経験的には)90%前後になると思うし、そもそも75~92%の間に丸められるようになっている。

 

しかし落札率は①98.6%、②98.9%、③98.8%、④98.8%とおおむね98%後半であり、石川町平均の96.2%よりも高い。

(町平均自体も高いと思う)

 

当該工事と同日の9/26には、他に2件道路工事の開札があり、

 

・都 4 第 3-2 号町道 3042 号線 道路改良工事(落札率99.6%)

https://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/5e73b81eea51895d317a405956abe252.pdf

 

・都 4 第 3-3 号町道 222 号線 道路改良工事(落札率99.5%)

https://www.town.ishikawa.fukushima.jp/admin/7860c8e367ed887d9b7f726db222c208.pdf

 

この日は3件の道路工事を指名された3社がうまく分け合った形になっている。

 

---2024/5/16 追記---

当該業者が福島県から入札参加制限となった。期間は1年9か月

news.yahoo.co.jp

経営事項審査より、当該業者の年間完成工事高は20億円程度。

うち何割を公共工事で占めているかは不明(福島県のHPの見方がわからない)だが、HPを見た印象では多くを公共工事に依存しているのだと思う。

もしかしたら社長は関与しておらず、被害者なのかもしれない。だが談合等で指名停止を食らった業者がどうなっていくかを追えるいい例だと思う。

 

---2024/5/22 追記---

5/21 こども園用地造成工事(上記④の工事)でも漏洩があったとして町長が再逮捕

www3.nhk.or.jp

5/22 こども園開園が延期 町の入札がすべて停止していることが理由

www.fnn.jp